不登校の子は、学校に行けなくなって自信を失ってしまったり、将来への不安を抱えてしまうこともあります。
周りの子が中学卒業に近づき進路について考える時、不登校の子もまた進路について考えます。
不登校であっても進路の選択肢はさまざまです。
親や周囲の大人がサポートし、子どもの気持ちを大切にしながら一緒に考えることで、新たな道が見えてきます。
この記事では、不登校の中学生が進路を考える際の主な5つの選択肢について、それぞれの特徴などを解説します。
全日制高校への進学
不登校の中学生も、試験の成績が良ければ全日制の高校に進学することはできます。
ただ、進学した後にどんな高校生活になるかを想定しておかないと、ちょっと「思ってたんと違った」ということになることもあります。
全日制高校は、一般的な高校生活をイメージしやすい進路です。
朝から夕方まで授業があり、部活動や学校行事も盛んに行われています。
不登校だった中学生が全日制高校に進学する場合、内申点や出席日数が重視されることが多いため、受験のハードルが高いと感じることもあります。
しかし、テストの成績が良かったり、定員割れしている高校の場合は合格することもあります。
全日制高校に進むメリットは、同世代の仲間と一緒に学び、社会性や協調性を育める点です。
学校生活を通じて自信を取り戻し、将来の進路を考えるきっかけにもなります。
一方、毎日決まった時間に登校する必要があるため、体調や心のケアが不安な場合は慎重に検討しましょう。
全日制高校を選ぶ際は、学校見学や進路相談を活用し、自分に合った環境かどうかを確認することが大切です。
全日制高校の受験対策として、学習塾や家庭教師、オンライン学習を利用する方法もあります。
候補となる高校について事前に調べたり、学校の先生に聞くなどして受験条件やサポート体制を事前に確認しましょう。親や先生、専門家と相談しながら進路を考えることが重要です。
通信制高校・サポート校の活用
通信制高校は、自宅学習を中心に自分のペースで学ぶことができる進路です。
登校日数が少なく、体調や精神的な負担を軽減しながら高校卒業資格を取得できます。
通信制高校には、レポート提出やスクーリング(面接指導)、テストを通じて単位を取得します。
最近はオンライン授業や個別指導を導入する学校も増え、学びやすい環境が整っています。
サポート校は、通信制高校と提携し、学習や生活面のサポートを提供する施設です。個別指導や進路相談など、通信制高校だけれ派できない幅広い支援を受けることができます。
サポート校を利用することで、孤立しがちな不登校経験者が安心して学び続けられる環境が整います。
通信制高校やサポート校を選ぶメリットは、自分に合ったペースで学びながら、高校卒業資格を取得できる点です。
学校生活に不安がある場合や、体調管理が必要な場合にもおすすめです。
進路を決める際は、学校見学などに参加し、実際の雰囲気やサポート体制を確認しましょう。
定時制高校・高等専修学校
定時制高校は、夕方や夜間に授業が行われる高校です。昼間の時間帯にアルバイトや習い事、趣味に時間を使いたい場合などに適しています。定時制高校は、幅広い年齢層の生徒が在籍しており、多様な価値観に触れる機会があります。
ただし通学がメインとなるため、体調やメンタルに不安がある場合は、要注意です。
高等専修学校は、専門的な知識や技術を学ぶことができる進路です。
中学を卒業してすぐの生徒は受け入れてない場合もありますが、提携する通信制高校とのWスクールで学ぶこともできます。詳細は、各高等専修学校に問い合わせてください。
高等専修学校によって、学べる専門知識は違います。資格取得や就職に強いのが特徴です。特定の分野に興味がある場合や、早く社会に出たい場合におすすめです。
高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)
高卒認定試験は、高校に通わなくても大学や専門学校への進学資格を得られる制度です。
必要な科目を合格すれば、高校卒業と同等の資格が取得できます。
高卒認定試験は、自分のペースで勉強できるため、体調や精神的な理由で学校に通えない場合にも適しています。
高卒認定試験のメリットは、効率よく学習を進められる点です。必要な科目だけを集中して学び、合格を目指すことができます。高卒認定試験に合格した後は、大学や専門学校など、さまざまな進路を選ぶことができます。
高卒認定試験の対策として、通信教育や個別指導、オンライン学習を利用する方法もあります。
高卒認定試験を目指す際は、学習計画を立てて計画的に勉強することが大切です。学習が苦手な方には不向きかもしれません。親や先生、専門家と相談しながら、自分に合った学習方法を選びましょう。
就職
不登校の中学生が高校進学を選ばず、直接就職を希望する場合もあります。
職業訓練校では、実践的なスキルや知識を学び、資格取得や就職活動に活かすこともできます。学校には向いていないけど、社会人には向いている子が一定数います。
就職のメリットは、早い段階で社会経験を積めることです。実際の職場で働くことで、社会のルールや責任感を学び、成長する機会を得られます。収入を得て経済的に自立できる点も大きな魅力です。職業訓練校では、特定の職業に特化したスキルを磨くことができ、将来のキャリアにつなげることができます。
まとめ
不登校の中学生が進路を考える際には、全日制高校、通信制高校・サポート校、定時制高校・高等専修学校、高卒認定試験、就職など、さまざまな選択肢があります。それぞれの進路には特徴やメリットがあり、それぞれの状況や希望に合わせて選ぶことが重要です。
進路を決める際は、親や先生、専門家と相談しながら、焦らずじっくり考えることが大切です。
不登校は人生の通過点に過ぎません。
自分に合った進路を見つけ、自信を持って将来を歩めるように、焦らずいろんな選択肢を調べてみましょう。