通信制高校の指定校推薦とは?仕組み・条件・合格のポイント5つ

はじめに

通信制高校から大学進学を目指す方が増えています。
その中でも「指定校推薦」は、合格の可能性が高く、注目される入試方式です。

通信制高校でも、条件を満たせば指定校推薦を利用することができます。
ただし、有名大学や人気大学の推薦枠は限られていて、全日制高校と同じようにはいかないことも。

この記事では、通信制高校における指定校推薦のしくみや条件、合格のポイント、
他の入試方式との違いや注意点まで、やさしく解説していきます。

通信制高校の指定校推薦とは

通信制高校にも、大学が指定する「推薦枠」があります。
これは、高校と大学との信頼関係に基づいて設けられるもので、
「この高校から生徒を推薦してください」と大学側が依頼するしくみです。

最近では、指定校推薦枠を持つ通信制高校も増えてきました。
たくさんの大学や短大、専門学校と提携している通信制高校もあります。

指定校推薦の特徴は、ほぼ合格できることです。
校内選抜を通過すれば、大学での面接や書類審査のみで合否が決まることが多く、筆記試験が苦手な方には安心の受験方法です。

ただし、推薦枠には限りがあり、人気の大学では希望者が多くなるため、校内での選抜が行われます。
誰でも合格できるというわけではありません。
全日制高校に比べると、通信制高校には有名大学の推薦枠が少ない傾向があります。

指定校推薦のしくみと選抜方法

指定校推薦は、その大学が指定する高校に在籍している生徒だけが出願できる入試方式です。

まずは、校内で推薦候補者を選び、その後、大学へ出願する流れになります。
推薦枠は大学・学部ごとに決まっていて、1〜2名程度のことが多いです。

通信制高校で指定校推薦を目指すには、次のような条件を満たす必要があります:

  • 成績(評定平均3.5〜4.0以上が目安。学校により異なる)
  • レポートの提出状況
  • テストの結果
  • 日々の学習姿勢や学校生活

これらは、在籍期間全体を通して評価されます。
コツコツとした積み重ねが大切です。

希望者が多い場合は、校内選抜が行われ、成績や生活態度など、総合的に見て判断されます。

なお、指定校推薦を受けると「専願」となり、合格した場合はその大学に進学することが前提となります。

通信制高校の推薦枠の特徴と注意点

通信制高校にも指定校推薦枠がありますが、全日制高校と比べるといくつか違いがあります。

早稲田大学や慶應義塾大学などの有名校では、通信制高校には推薦枠が設けられていないことがあります。
また、あっても全日制の生徒だけが対象というケースもあるため、注意が必要です。

一般的に、合格するのが難しい大学の指定校推薦は、ないと考えるのが良さそうです。

推薦枠の内容や対象となる学部・学科、人数は毎年変わることがあります。
進路指導の先生や学校の最新情報をしっかり確認しておきましょう。

合格のための5つのポイント

指定校推薦で合格を目指すには、以下のポイントを意識しておくと安心です。

  1. 成績を安定して保つこと
    評定平均は3年間の積み重ねが重要です。
    通信制高校に転校した場合は、転校前の評定も合否に関わります。
    日々の学習や提出物、テストの結果を丁寧に取り組みましょう。
  2. レポートやスクーリングを丁寧にこなすこと
    通信制高校では、レポートの点数が成績に直結します。
    また指定校推薦を受けるためには、早め早めの取り組みが必須になります。
  3. 自分のアピールポイントをつくること
    ボランティアや資格取得など、成績以外の強みを持つことが、校内選抜でのプラス材料になります。
  4. 進路指導の先生とよく相談すること
    推薦枠は変動するため、こまめに相談し、最新の情報を得ておきましょう。
  5. 焦らず、一歩ずつ準備すること
    指定校推薦は、直前に焦ったところで結果は変わらないので、焦らなくて大丈夫です。
    今できることを丁寧に積み重ねていくことが、確かな自信につながります。

他の入試方式も選択肢に入れよう

指定校推薦だけに絞るのではなく、他の入試方式も視野に入れるのがおすすめです。
指定校推薦は、志望大学からの指定校推薦枠がない可能性もあるし、
みんなが憧れるような大学には指定校推薦枠が少ないからです。

通信制高校の生徒が利用しやすい入試方式には、次のようなものがあります:

  • 総合型選抜(旧AO入試)
    学力試験ではなく、小論文や面接、実績などで評価。
    自分の強みを活かしたい方におすすめです。
  • 公募推薦
    指定校よりも出願できる大学が多くあります。学科試験だけでなく面接や小論文による合否判定もあります。
  • 一般選抜
    筆記試験で評価。大学受験に何度もチャレンジできるのが魅力です。学力試験の科目は、大学や学部により異なります。

特に総合型選抜は、自分の経験や意欲をしっかり伝えられる方式なので、指定校推薦が難しい場合の強い味方になります。

おわりに

通信制高校からでも、指定校推薦を通じて大学進学は十分に可能です。
合格率が高いという安心感はありますが、枠の数や対象大学には制限がある点も、しっかり理解しておきましょう。

大切なのは、日々の学びを大切にすること。
焦らず、自分のペースで一歩ずつ進めば大丈夫です。

指定校推薦に限らず、さまざまな選択肢を視野に入れて、自分に合った進路を考えていきましょう。

進路指導の先生や保護者と相談しながら、計画的に進めてくださいね。